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深圳商事登記制度改革が上海自由貿易試験区の創設に与える啓示

2018-05-10 · 金冰一 任虹

2013年3月、深圳では「幅広い参入と厳格な管理」を核心とする商事登記制度改革が正式に実施され、既存の企業設立登記制度が全面的に簡素化されました。

今回の深圳商事制度改革には以下のような主な特徴があります。登録資本金の払込登記制度が実施され、会社の登録資本金、出資方式、出資額、出資時期等は株主が自ら約定することができ、商事登記を行う際には検資証明を提出する必要がありません。営業範囲の登記及び審査批准が廃止され、営業範囲は備案事項に改められます。工商年検の法定制度が廃止され、会社が自ら登記機関に年次報告を提出する制度に改められます。営業許可証、組織機構コード証、税務登記証の三証合一の登記制度が推進されます。統一的な商事主体登記許可及び信用情報公示プラットフォームが構築され、経営異常者名簿制度が実行され、市場、信用及び社会による監督が強化されます。

従来の手続きに時間がかかり、要求が煩雑であった工商登記制度に比べ、深圳商事登記制度改革は起業家の資金不足や営業許可証取得の遅れなどの多くの問題を解決し、複雑な手続きを簡素化し、政府の審査批准及び商事登記の効率を向上させ、商事主体の登記門戸を大幅に引き下げ、起業家に優れた投資環境を提供しています。

そして2013年7月3日、国務院常務会議は「中国(上海)自由貿易試験区全体方案」(以下「方案」といいます)を可決しました。方案によれば、上海自由貿易試験区では人民元資本勘定、税収、外国為替等の多くの分野で改革が実施される予定です。我々は、このような背景の下、上海は深圳に倣い、商事登記制度改革を推進し、商事主体の市場参入門戸を引き下げ、市場の活発化と繁栄を一層促進すべきであると考えています。

上海における将来の商事制度改革において、以下の問題に注目する必要があります。

一、商事登記制度改革の合法性及び合憲性基礎の充実

深圳商事登記制度改革は、既存の工商登記制度において大きな突破を見せています。例えば、『会社法』第26条及び第29条に規定されている実収資本登記制度では、商事主体は工商登記を行う際に必ず検資報告を提出しなければなりません。『会社法』、『外商投資企業法』では営業範囲を法定登記事項として規定しており、また『会社登記管理条例』では企業年検が法定制度であり、規定に従って年検を行わない企業には行政処分が科されることになっています。

深圳は経済特区であり、全国人民代表大会常務委員会の授権に基づき、深圳市人民代表大会及びその常務委員会は独自に法規を制定して実施することができます。しかしそれでも、全国人民代表大会常務委員会の授権には明確に、深圳市人民代表大会及びその常務委員会が制定する法規は「憲法の規定並びに法律及び行政法規の基本原則に従う」必要があると定められています。今回の深圳商事登記改革は『会社法』における商事登記に関する多くの原則的規定を実質的に突破しており、その合法性及び合憲性基礎には依然として欠陥があります。深圳がこのような状況であるのに対し、経済特区ではない上海は、この点について更に重視し、充実させる必要があります。

二、他の部門規章及び地方的法規、規章との整合性確保の問題

多くの部門規章及び地方的法規は『会社法』等の法律法規を根拠として制定されています。深圳で商事制度改革が推進された後、関連する規章及び法規が依然として適用されるかどうかについては、議論と混乱が存在しています。そのため、上海が商事制度改革を推進する場合には、新しい規定と部門規章及び地方的法規との間の整合性を確保することに注意を払い、運用面での混乱と抵触を回避する必要があります。

[1]「全国人民代表大会常務委員会关于授权深圳市人民代表大会及其常务委员会和深圳市人民政府分别制定法规和规章在深圳特区实施的决定」